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できたてビール3種の話

タップルームに3種のビールがつながりました。今日はそんなビールの話です。

  • 基本のビール「ペールエール」  画像のいちばん左、ビールらしい黄金色に輝くビールが「ペールエール」です。エールスタイルのビールを造るうえで最も基本になるビールです。このビールの良し悪しで派生するほかのビールの出来にも影響があります。我々が最も力を入れるビールですね。種類の違う麦芽とホップを使うことで味わいには複雑性を持たせています。決してまとわりつくことのない柔らかな麦芽の風味とわずかに感じるホップの苦み。この二つの微妙なバランスに注意して造りました。冷えているときには爽やかな柑橘、温度が上がればアールグレイの香りを楽しめます。全体としてはフルーティーで飲みやすく、味わいはニュートラルなのでどんなお食事とも相性が良いと思います。タップルームではぜひお楽しみいただきたいビールです。

  • ちょい苦 「IPA」  画像中央、IPAとはインディアン・ペール・エールの略。昔、イギリス商船がインドへの航海でビールが長持ちするようにホップを大量に入れたビールを造ったことが始まりとか。アメリカのブルワーがこぞって造り世界的に大人気になりました。実は私も2003年にポートランドのパブでこのIPAに初めて会いノックアウトされたひとりです。一口で麦芽もホップもからだ全体に広がるようなあの感覚は衝撃でした。ペールエールより苦みが強く飲みごたえがあるのですが、ホップだけが主張しないように麦芽とのバランスをとることにも注意して造ります。グレープフルーツのような柑橘タイプのホップを使い、アメリカで飲んだIPAをイメージています。原料を贅沢につかうクラフトビールの醍醐味をお楽しみください。

  • のど越しすっきり「ピルスナー」  画像左、ほかのふたつがエールビールであるのに対して、「ピルスナー」はラガービールです。大手メーカーのビールなどで一般的になじみの多いビールスタイルですね。ラガービールでは下面発酵する酵母を使います。その昔、日本に地ビールブームがおこったときは大勢のドイツ人技師の指導によって全国にラガータイプのビールが普及しました。低温でゆっくりと発酵するのですっきりと飲み口の良いビールになります。私たちのような小さなブルワリーではこの「ゆっくりと発酵する」酵母の性質がやっかいで商品になるまで時間がかかってしまいます(笑)色合いは薄く、麦草のような美しさがあります。香りにはマスカットやオレンジのようなトロピカルな印象がはじめと終わりにしっかりと感じ、少し白ワインにも似た印象です。ワインに例えるならニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランがとても近いです。お食事の初めや最初の1杯には最高のビールになりますね。

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